視野を思い出す
深夜の暇は危険だ。
思想が普段より遠くまで伸びていってしまう、そのくせ視野は狭くなってその窮屈さにもどかしくなる。
こんな時に外でタバコでも吸えばスカッとするのかもしれないが、まだタバコも酒もほとんどやらないのでうまい飲み方も吸い方もわからない。
本を読むことに決め込んだ私は夜が更けていく中で小さなあかりだけを灯した。別の世界の中に一度すっぽりと入ってリセットする。その中にいる誰かは自分とは全く違う人生を生きている。そのはずなのに自分の片鱗のようなものを見つけてぐーーっと入り込んでいくような感覚。
自分の生きている世界など狭くてちっぽけだ。良い意味でも悪い意味でも。
すぐに出口も居場所もなくなったように感じる。どこにもいけないし、どこも見てはいけない。
きっと本当は思ったよりも簡単にきっとえいっと外に出ることができる。
その考え方がいつも忘れてしまうのだ。見えなくなるという感覚の方が近いかもしれない。
だからたまに狭くなってしまった視界を広くクリアにする時間がぼくには必要だと本を閉じてぼーっと考えていた。
あでゅ
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